書業六十年記念 土田帆山書作展[書道芸術 2000年7月号]
(一部抜粋)
宇宙の悠久〓。
土田帆山氏の大きな音吐が、朗朗と大きな会場に木霊していた。
今年の5月、東京銀座画廊美術館で、「書業六十年・颿山の宇宙」と題して土田帆山書作展が開催された。思い出の作品を回顧展として約半分、それに近作を加えて、超大作も数点含む100余点がならぷ、生前の手島右卿に「これはええですよ」とほめられたという39歳時に製作した代表作「雲」。81歳にして生まれたしなやかで自由、自在な代表作、行草の「いろはにほへと……」…‥。蔵するものの大きさを充分に感じさせる、切れ味の鋭い作品群に大人の風格が漂う。静謐な世界に動のある表現、そこに宇宙の悠久がある。
(文・青木伸一氏)
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書道芸術 2000年7月号
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