作品名:「行雲流水 84歳」 [行雲流水 84歳 第47回洗心書道展]
禅宗のお坊さんを雲水と言うのは、この語からきたそうだが人生行く雲の如く雲の如く流れる水の如しだ(2006年本人談)
この「行雲流水」の作品は、「行」の字は楷書に近く、「雲流水」は篆書体を行草意で書くという破体である。
もともと帆山の作品は、行草体を得意とし、その後、金文が流行し始めるとこの造形に、行意、草意を活用して自分の書風を生み出した。初めのころは形がわりとかっちりしていたが、この作品を見ると、行書や草書に近づく。全体のバランスは、篆書の特色とする方形ではなく、白と線の動き、つまり余白と線のバランスになる。墨は青墨の淡い色で、にじみとかすれの対照の美もある。(小野寺啓治 アートマインド127号)
行雲流水(禅語)隷淡墨 全紙二曲