作品名:「鯖江高校校庭東隅の石碑「剛」」
八十六歳の今になって、石碑にして後世に残すべき作品はと振りかえってみると、やはり「剛」である。
白川静氏によれば「剛は会意文字で、岡と刀を組み合わせた形。岡は鋳物を作るときに使う鋳型を土で作り、下から火(この字では山の形)を加えて焼き固める形で、堅い鋳型をいう。その鋳型を鋳込んだあとで刀を使って裂く形が剛であるが、鋳型は堅くて容易には裂くことができないので、剛には『かたい、つよい』という意味がある。物がかたい、つよいの意味を人の性格の上に移して剛毅・剛直(意志が強くて気力があり、何事にも屈しないこと)のようにいう」とある。
剛毅・剛直の人に育ってほしいという願いをこめた、この石碑「剛」を鯖江高校に寄付したい。
私は、鯖江市定次町で生まれ育った者であるし、鯖江高校は私が定年まで十三年間勤めた愛着深い学校であること、それに、芸術性豊かな学校づくりを推進されているし、約十年前佐々木英治校長(当時)の求めで提供した私の大作「萬福」が体育館に展示されているからである。
(剛碑について・帆山挨拶状より)