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「遊神」 現代日本芸術の創跡 ー2007年を振り返るー[BM美術の杜 2007年14号]

写真1”卓越した書法を駆使し、新しい造形美を生む”

 昭和能筆の頂点に位置した手島右卿の全盛期、生活を共にし、薫陶叱咤を受け、今日の大成を招来した土田帆山氏。右卿の人となりを知る、最後の生え抜きの”独立書人”の元老だ。その筆技は硬軟無碍、古典の厳格な臨書作品から、革新的な壁面大作までレパートリーは実に膨大だが、書そのものに流れる澄んだ気品は未だ若年と変わらない。右卿が激賞した「雲」の時代から・・・。
 「遊神」。古代文学の素朴な面白味を、偏と労のアンバランスな変化を軸にまとめた、酒税で軽妙な作品。それぞれの文字が抱えるS字形の余白が美しい。雅印の位置も名人芸である。また通例の淡墨より深みのある墨の発色も素晴らしい。この新鮮な造形意匠は、後進に与える示唆も大きいだろう。
(2007年BM現代日本芸術の創跡より 松田十欄氏)

「遊神」 第55回独立書道展

出典詳細

写真

BM美術の杜 2007年14号

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