「流光」論評[アートマインド2008年4月 春季号 通巻151号]
福井で大字書を積極的に広める土田帆山氏は、中央では独立書展、毎日書道展に出品し、絶えず新たな方向を発表している。
この「流光」は篆書を珍しく縦書きにし、淡墨の美しい色合いを巧みに発色させて、潤筆と渇筆の妙を示す。形は同一の線で組み立てるのではなく、一点一画がこどごとく厚さやかすれ具合や細さを組み替え、表情に意外性を孕んでいる。
特に線を太く広げる表現には、墨絵を見る絵画的な表情さえ見せる。
(小野寺啓治)
出典詳細
アートマインド2008年4月 春季号 通巻151号
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