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メッセージ集

恩師の訃報 接し寂しさ [寄稿者:柴田亮俊 78歳]

なせばなる、なさねばならぬ何事も、

私は、越前市味真野小学校時代に、土田帆山先生に担任していただいたひとりです。このたびの訃報に接し、寂しさで胸がいっぱいです。
当時は、養子にいかれる前の独身時代で、岸本先生とお呼びしていました。大変厳しく、一番怖い先生でした。また、ユニークでもあり、思いやりのあるやさしい先生でした。
早朝に出勤され、私たちが教室に入ると、事務机で書道の練習をされていました。「亮俊君!おはよう」と、大きな声であいさつされたことが脳裏に残っています。詩吟がご堪能で、授業中に「べんせい、しゅくしゅく、夜川を渡る…」とうたわれたこともありました。
先生は、私たちに日を閉じさせ、ムチで机をたたき「精神一統何事かならざらん」と叫ばれ「なせばなる、なさねばならぬ何事も、ならぬは人のなさぬなりけり」とおっしゃった。できないのはやらないからで、やろうと思えば何でもできるんだと強調されました。このことは、私が教師になってからも受け継いで、教え子たちを励ましてきました。同じ小学校に勤めていた母から聞いた話ですが、先生方の卒業記念写真をとったときの事です。写真屋さんが「はいお撮りします!」と言って、シャッターを切ると、後ろ向きになり写真屋さんを困らせたというエピソードがあり、なかなかのユニークな先生でした。
帆山先生は杉本長雲先生に師事されましたが、その長雲先生は、母と共に味真野小学校に勤務され、後に福井師範学校で教べんをとられています。このように国内外で活躍された恩師を誇りと思うと同時に、追悼の意をささげます。
福井新聞 2008年3月11日 「こだま」より

写真

岸本脩 国高小学校での同僚教員

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