「無功徳」論評[アートマインド 1998年11月号]
ー略ー
作品は、しばらく金文を母体とした古文の造形を淡墨の滲みと渇筆を生かして、書に絵画的な造形感覚を取り入れる仕事を進めてきた。形と線は、金文の造形に忠実な姿をとったがここ数年は、形は文字の原型から飛躍して作品上のコンポジションが優先しだした。線も篆意を踏まえた忠実な筆法から行意や古隷の筆意を加え、木簡の破筆なども参加して帆山スタイルとも呼ぶべき新しい線の表現を見いだした。
この「無功徳」は、その姿で形の異様さが大きな魅力となり、肉厚い線と墨色のコントラストが見せ場だ。(小野寺啓治)
米寿記念個展(2006.10 於 福井県民会館)で「無功徳」について解説する
出典詳細
アートマインド 1998年11月号
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